控除について

Q.法人が一定の土地を譲渡した場合に、譲渡利益金額のうちの一定金額を損金に算入できる制度があるのでしょうか?

A.法人が長期所有土地等を譲渡した場合に、譲渡利益金額のうちの一定金額をその譲渡の日を含む事業年度において損金の額に算入(所得の特別控除)することができるという制度が存在します。
この制度の対象とされる長期所有土地等というのは、法人が平成21年1月1日より平成22年12月31日までに取得した国内の土地か土地の上に存する権利(棚卸資産は除外されます。以下「土地等」といいます)で、取得を行った日の翌日より譲渡を行った日の属する年の1月1日までの期間が5年を上回るもののことです。ただ、次のものはこの場合における取得には該当しません。
・その法人と特殊な関わりのある個人か法人からの取得
・所有権移転外リース取引か代物弁済による取得
・分割、合併、交換、贈与、出資又は平成22年9月30日以前になされた適格事後設立若しくは平成22年10月1日以降になされる適格現物分配による取得

1.対象となる譲渡
 この制度の対象とされる譲渡には、土地等を使わせることでその土地等の価値が著しく低下する場合(法人税法施行令第138条第1項に当てはまるもの)のその使わせる行為が含まれます。ただ、次のものはこの場合における譲渡に該当しません。
・土地収用法等に基づく収用、換地処分、買取り、権利変換又は買収による譲渡(租税特別措置法第64条第1項第1号〜第4号及び第8号並びに第65条第1項第1号及び第3号〜第6号に定められているもの。なお、第64条第2項か第65条第7項〜第9項の定めによって収用等か換地処分等による譲渡があったものとみなされる場合が含まれます。)
・適格分割、適格合併、適格現物出資又は平成22年9月30日以前になされた適格事後設立若しくは平成22年10月1日以降になされる適格現物分配による土地等の移転
・交換によって取得した資産の圧縮記帳等の適用を受ける譲渡(法人税法第50条第1項か第5項の定めの適用を受けるもの)
・特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の所得の特別控除の適用を受ける譲渡等(租税特別措置法第65条の3〜第65条の5に定められているもの)

2.損金算入限度額
 損金算入限度額は、長期所有土地等の譲渡で取得した対価の額か資産(交換取得資産)の価額がその譲渡を行った長期所有土地等の帳簿価額とその譲渡にかかった経費のうち一定のものを合算した額を上回る場合における、その上回る部分の金額と1,000万円のどちらか少額である方の金額とされています。
 なお、交換取得資産というのは、その長期所有土地等の譲渡で取得した資産のことです。そして、交換取得資産の価額は、その価額がその譲渡した長期所有土地等の価額を上回る場合に、その差額に当たる金額をその譲渡に当たって支出したときには、その差額に当たる金額を差し引いた金額となります。

3.適用を受けるための手続き
この制度の適用を受けるには、確定申告書等に損金の額に算入される金額を記すほか、その確定申告書等にその損金の額に算入される金額の計算に係る明細書を添えなければなりません。

4.適用除外
 法人が、長期所有土地等の譲渡を行った日の属する事業年度のうちで同じ年に属する期間に、その譲渡を行った土地等のいずれかにつき、特定資産の買換えの場合の圧縮記帳等の定め(租税特別措置法第65条の7〜第65条の9か第65条の11〜第66条)の適用を受けた場合においては、この制度の適用を受けることが認められていません。

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